入社当時は可愛らしかった若い女性が、気づけばお局と化しネチネチとしたおばさんになって、上司に取っても部下に取っても厄介な存在になってしまうと悲しいものです。
一体何故お局が生まれるのかの原因を探ってみましょう。
まずどんな人でも最初は真っ新なものです。
研修を終えて入社し、フレッシュさを武器に仕事を覚えようとする新入社員は初々しく将来が楽しみです。
徐々に仕事を覚えて戦力になってくる頃には頼もしくもあります。
しかし悲しいもので朱に交われば赤くなる、郷に入っては郷に従えとありますが、一人のお局が幅を利かせているような職場ではポストお局として育ってしまう事も多くあります。
その理由として、まずは環境が挙げられます。
お局は一日にしてならず、徐々に熟成されていく存在ですからお局が育つ環境が整ってしまっているのです。
ひとえにお局と言っても、口やかましいけれど仕事は出来るお局と、ただひたすら面倒くさいお局がいます。
頼りにされるお局は仕事に対してストイックなだけなので、いざ困った時には真っ先に頼られるもので、同僚からも一定の信頼は得ています。
しかし面倒くさいだけのお局はどうでしょうか。
人事の管理体制がしっかりしている会社であれば、何かしら指導が入るはずです。
しかし厄介なだけのお局が幅を利かせている会社では、怖いから、面倒くさいからとお局を放置します。
適当に流しておけばお局は満足するから、と誰も意見をせず指導もせずで成長が頭打ちになってしまい誰の手にも負えない存在になってしまうのです。
そんなお局と社風の中で育った若い女性は、その環境を当たり前として諦めていってしまいます。
そしてお局が先輩であったり上司であったりしますので、お局ナイズに教育されてついにはポストお局となってしまうのです。
若い女性が中堅になる頃には、新人の育成も任されることになっていきます。
その頃には「お局のようにはなるまい」と思う女性の方が圧倒的に多いでしょう。
しかし初々しさの反面、忙しい業務の中で新人教育は骨が折れるものです。
右も左も分からない新人社員は、中堅以上にとっては当たり前の事すらわかりません。
なんでそんな事も分からないの、この間も言ったじゃない、という事が積み重なっていけば誰でもイライラしてしまうものです。
人は心に余裕がなくなっていくと、段々他人への気遣いが出来なくなっていきます。
そうなると新人の頃にお局にいじめられて嫌な思いをした自分の気持ちと、仕事が上手く覚えられずに落ち込んでいる後輩の気持ちを照らし合わせられなくなり、自分はきちんと教育しているのに仕事を覚えない新人が悪いと責めていってしまいます。
こうしてポストお局は努力してきちんと教育をしているのに、後輩が仕事を覚えてくれないというジレンマに陥ってしまいます。
更に上司からは後輩の育成の結果も問われます。
上司は無理難題を押し付けてくるし、後輩は仕事をちっとも覚えない、自分はこんなに一生懸命努力しているのに周囲は理解してくれない、となったらお局化に歯止めが利かなくなります。
男性は臭いものには蓋をしますが、女性は臭いものは鍋ごと捨てて根本から対処しようとします。
采配下手な上司に、仕事が出来ない部下、いい加減分かって欲しい、ハッキリ言わないと分からないと思い込み暴走していってしまうのです。
一度口にしてしまえばそれが当たり前になり、逆に言ってあげる事が相手の為、更には会社の為とエスカレートしていきます。
そうなれば最早誰も口出し出来なくなっていき、触らぬ神に祟りなしと放置されます。
職場の厄介なお局は、このようにして誕生していってしまうのです。
このように何かと目立ち、口を出してくるお局はある種努力家とも言えるかもしれません。
仕事に対する意欲はあるのですから、手が付けられなくなる前にストレスやプレッシャーに対してフォローをしていくと、頼もしい有能女性上司になってくれるかもしれません。