ガサガサした手のひら
短く太い指
ぼてっとした肉付き
どうしてこんなにも醜いのか、思春期から今日までずっと悩んで生きてきました。
生まれつき手のひらの水分が少ないのか、常にカサカサガサガサしています。
まさに猿の手のように、油分がなくシワシワでざらついている。
そりゃ兄も正直な人だから、私を馬鹿にしてくるわ。
砂漠化している表面なのに、なぜか手汗は多くかくのも大嫌い。
汗と肌の水分は関係なく、どんなに手汗をかいても、もっちりした肌にはなりません。
カサカサがベタベタになるだけで、ただデメリットしかないのです。
高校のとき仲良かった男女7人グループで、みなが目をつむって握手しあい誰か当てるゲームをしました。
そのとき男子の一人が私の手を握ったとき「絶対男だ!」と自信満々に言いました。
仲良しだったので、当然わざとではないのは伝わっていました。
だからこそ辛かったです。
本当に悪気なく、素直な感想だったから。
つまり私の手のひらは本当に男子のような質感なんだな、ということが判明したのです。
付き合って1ヶ月の彼氏と、数回目のデートのときです。
今までは、あまり手を見てこなかったのか、今回はジロジロ手を見てきます。
そして気づいたのかもしれません。
私の手の汚さを。
しばらく見つめて、ふと一言「手かわいいね」と低いテンションで言ってきました。
全然そんなこと思ってもないような、棒読みで言われたので、下手な演技するくらいなら何も言わないでほしかった。
翌日から音信不通になったので、おそらく手が原因で私は彼氏にふられたのです。
手に使えるスキンケアを一生懸命がんばっても、気休め程度で金の無駄遣い。
ネイルをがんばっても、結局手そのものがきれいな子と比較すると、逆に惨めな気持ちになります。
手のゴツさを生かして、手を活かすスポーツをはじめてみるけど、余計に女を捨てた感じで逆効果。
何をしても、自分の手を好きになることができませんでした。