一人っ子の子供は、兄弟がいる家庭と比較して両親の愛情を独り占めできる環境で育ちます。
常に両親の視線は自分へ向けられるので、成長材料の吸収も早く立派な大人に育つでしょう。
しかしときに、愛情を受け取る分別がつかなくなり、母親もしくは父親のどちらか1人を大嫌いに思ってしまうことがあります。
家庭環境によって異なることはありますが、統計的にみてもやはり嫌われやすいのは父親である傾向が強くあるでしょう。
これは日本社会の、男は外で働き女は専業主婦という風習が残っているので、必然的に子は母親と過ごす時間が長くなる為に成長段階で父親を嫌いになるケースが増えてしまうのです。
父親が医者だったり大企業の幹部クラスの人間であれば、子供にも同じレベルの大人に育って欲しいという観点から、子供に必要以上の期待を重ねてしまう。
親の年収が高いほど、子供は一人っ子になる率も高いので、一人っ子の親は医者など世間から尊敬される仕事をしている可能性も高いでしょう。
英才教育を行うのは母親か、塾や専属の先生、父親は忙しいので直接勉強を教わる機会も少ないが期待は相変わらずデカイ。
何も教えてくれないくせに期待値は高いので、一人っ子の子供はどこまで努力すれば褒められるのか、具体的な目標を掴めずいつの日か勝手な父親を嫌いになってしまいます。
一人っ子の父親は、仕事熱心で家庭に顔を出さない男性である可能性が極めて高いでしょう。
一緒に遊んだのは幼稚園の頃がピーク、それ以降は外で何をしているんだか理解不明。
たまに休日家でのんびりしているときには、一体何を話してよいのか分からない、話題を掴めないのは父親の方も同じで戸惑いを隠しきれていない。
父親が嫌いというか、心の距離が遠すぎてもはや接することができない。
このように感じている一人っ子の子供は少なからず存在するでしょう。
父親も母親も偉い。
それは大前提で分かっているが、えらいを通り越して、ただ人を馬鹿にする暴言おじさんと化した父親もすくなくありません。
子供に対する態度はもちろん、もっと酷いのは母親に対する態度です。
子供が見ても察してしまうほど、ただの八つ当たりにしか見えないときもあるでしょう。
会社で嫌なことがあったのか、はっきりとした理由は分かりませんが、とにかく家で偉そうにする父親を一人っ子の子供は嫌いになってしまいます。
このようなお父さんほど、会社で人の良い雰囲気を振りまいていることが多く、会社からかかってきた電話はいつも声が弱弱しく尊敬も出来ない。
子供はちゃんと見ています。
一度嫌いになったら、そう簡単に好きになることはできません。
一人っ子の子供こそ一直線に両親を見つめているので、尊敬できる親はより尊敬され、格好悪い面を出し過ぎる親は子供にどんどん距離を置かれてしまうことになります。